(一社)土木技術者女性の会 西日本支部では、新名神高速道路橋梁架設工事(送出し工法による鋼箱桁橋の架設)の現場見学会を開催しました。
11月初旬の夜間での開催となりましたが、1000tを超える巨大な桁がゆっくりと動く様子を現場の間近で見学することができ、感動と興奮で寒さも眠気も吹き飛ぶ見学会となりました。
開催概要
- 日時:2022年11月3日(木) 0:00~3:30
- 場所:大阪府枚方市
- 参加人数:9名(正会員9名)
- 内容
1.工事の説明
2.現場見学
3.現場施設(快適すぎるトイレ)の見学
(参考)
道路構造物ジャーナルNET ウェブページ
https://www.kozobutsu-hozen-journal.net/walks/29357/
開催の様子
- 工事の説明
今回の見学会の集合時間は午前0時。現場事務所にある休憩室で工事概要を見ながら期待を膨らませる参加者達。休憩室にはライブカメラの映像を映し出すモニターがあり、ここからでも現場の様子をリアルタイムに確認することができます。
京阪の最終列車が通過するまでの間、現場の案内役を買って出てくれたという、当会のサポーターでもある工事部長から説明を受けました。この工事は、京阪電鉄および主要地方道京都守口線と放生川の上空をまたぐ上下線それぞれ2径間分の鋼箱桁橋を架設するもので、今宵桁を送り出す長さは上り線の40m(合計支間長166mの24%に当たる)。作業は京阪線については列車が走っていない時間帯に、道路については大規模な交通規制を張ったうえで、安全に桁を送り出します。
- 現場見学・記念撮影
京阪の最終列車通過後、桁の送出しがはじまりました。送出し設備のある架設ヤードでは煌々と照らされた鋼桁のスケールに圧倒されます。
巨大な桁は、写真-3・4のとおり、2台の緑色の台車とシンクロジャッキで支えられています。桁の後方端部に設置したジャッキが太さ35.5mmのワイヤーを引っ張ることで、台車がレールの上を前進し、ゆっくりと、そして意外なほど静かに桁が送り出されていきます。
写真-4のシンクロジャッキ部分では、桁の添接部分(ボルトの凹凸がある)の損傷を防ぐため、送り出し速度にあわせて職人がボルトに鉄製カバーを装着・脱着していました。阿吽の呼吸で繰り広げられる作業に「いつまでも見ていられる!」と張り付く参加者が続出しました。
- 現場施設(快適すぎるトイレ)の見学
架設ヤード内には、現場の職人に「ここに住める」とまで言われたという「快適(すぎる?)トイレ」がありました。なんとエアコン完備で酷暑期の熱中症対策にもなります。さらに中にはデジタルサイネージも設置されており、安全活動のための動画が流れていました。
そして別棟の女性用トイレには、周囲に目隠し用の扉付きフェンスが設置されており、トイレ自体の扉にもダイヤルキーが設置されているなど、「安心して使える!」と参加者も注目していました。
- さいごに
今回は夜間の見学会にもかかわらず、9名の参加がありました(実はこの見学会がきっかけで入会された方も!?)。スケールの大きい現場でしたが、案内役の工事部長が、適宜詳細な作業内容の説明をしてくださったおかげで、今何をしていて、どの状態になっているのかを把握しながら、鋼箱桁が動いているのを目の当たりにすることができ、ハイテンションのまま眠気を感じる暇もなく朝を迎えました。
開催するにあたり、多大なるご協力を賜りました鹿島建設株式会社関西支店京阪淀川東工事事務所様にこの場を借りて感謝申し上げます。
[Last updated on 2022-11-28]